ルロワメルランはフランスをはじめ、ブラジル、中国、スペイン、ギリシャ、イタリア、ポーランド、ポルトガル、ロシアに、2009年の時点で236店を展開する世界大手のホームインプルーブメント企業である。
●地方のデザインに独創性を取り入れることが外観のトレンド
フランス人は本物の個性、オリジナルのアイデンティティーに敬意を表する。ルロワメルランの庭づくり、エクステリア・リモデルも個性を重要視したものである。
同社は住まいの外観デザインについて「色×素材×仕上げタイプ」が決め手であると断言する。
さらに同社のリモデル・マネジャーは、「壁とシャッター、ドアの配置」に「各地域のスタイル」で建物を強調することが家に本物の個性を与え、魅力的に仕上げるポイントであると述べている。
写真.1 はフランスの各地域の特徴的な外観デザイン。
同社は「あなたはどのデザインを選びますか」とリモデルを呼び掛ける。
例えば、選択したプロバンスの外観デザインにレモンの木、ラベンダー畑の青を連想させる色調でまとめれば、より本物らしい個性が演出される。
壁に漆喰を用い、開口部を白いフレームで対比させれば光あふれる南フランスのイメージとなる。つまり「個性」とは決して奇をてらったものではない。
そのベースとなるものは各地域で育まれた独自のデザイン、文化である。
それに個人の好み、感性、オリジナリティで味付けし個性を演出する。
その結果、リモデルされた物件はオーソドックスでどこか懐かしさを感じさせながら、個人のアイデンティティーを表現した新鮮で個性的なデザインとなる。
また、写真.2 はルロワメルランがエクステリア・リフォームを喚起するために実施した懸賞金付きコンテスト“グランドテラス2008”の優勝作品である。
ナント地方の明るく、カラフルかつエキゾチックな雰囲気で“パラダイスと幸せ”を表現したもの。
このテラスはアイデア、施工、技術力、独創性がプロの審査員に高く評価され、優勝した女性は300ユーロの商品券を獲得した。
このように伝統美に独創性を加味し、住まう人の精神性を感じさせるデザインは、多くの人を魅了する。
このツボを捉え審美性を磨くことが、リモデラーの提案力を高めるポイントである。
ルロワメルランの顧客は、35%がその価格にひかれ、40%が自宅の近隣に立地していることが同店を利用する大きな動機になっている。加えて、ライフスタイルに合わせたエクステリア提案、充実した施工サービスも顧客を捉えている要因である。
写真.3 は、金属フレームとガラスの壁面で増築した高さのある新感覚のエクステリア空間。
黒で塗装されたフレームが大きな開口部の美的なバイアス効果を生み、都会的で洗練された雰囲気を醸し出している。
単なる温室を越えた、自然光を楽しむ豊かで独創的なアーバンライフ提案である。
このように顧客を魅了し、リモデル受注を増加するには、地域、ライフスタイル、ニーズに適応できる総合力が不可欠。
リフォーム業者として自らの特性を客観的に見直し、磨きをかけ、顧客を振り向かせるパワーと独創性を発揮することが成長への近道である。
フランス外構デザインのポイント
1.魅力的な外観デザインは「色×素材×仕上げタイプ」で決まる。
2.憧れの地域、伝統的なデザインを取り入れることは個性の演出につながる。
3.住まう人の精神性を感じさせる独創的な提案が受注拡大のポイント。
4.ライフスタイルにマッチしたデザイン力を磨くことが顧客を捉えるキーワード。
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